愉快な散歩或いは読書

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<<   作成日時 : 2014/02/28 22:07   >>

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床の間に亂雜に積んである本の中から
                         堀辰雄




彼は気儘に選択した一冊の本を持つて散歩に出る。其れが彼の時間の利用である。小説家はプルーストが花を好み作品の中に描いた事を執拗に書いてゐる。彼は其れを少しだけ真似した。僕はプルーストがソドムとゴモラのような作品にも描いた花を想像して時間を愉しむ。恐らく花の事典には其の一一を調べる事ができるだらう。

物語の女にはもつと私と打ちとけて話しておけばよかつたらうと思ふ時が來るだらう。と彼は書いた。此れらはみな僕の勝手な解釈である。

昔の事ではあるけれど堀の全集には翻訳も含めて海外の小さなエッセイの多い事に気づき不思議な気がしたものだつた。其れにはプルーストやリルケがあつた。其の不思議さとは何だつたのか。堀の体力の問題があつたかもしれない。そして或る流行もあつただらう。

小説家にとつて何かを書く事は例へば小説は長い小説は書き続ける事はできなかつた。書くよりも本を読む方が体力的に楽だつた筈である。さう永くはない生涯の中で多く本について書かれてゐたの何故だらうか。堀の場合読書家が読んだ本について書き残したのとは異なる。彼は自らの小説のメモや断章を残したが同じく読書のメモも同様のものだつた。

謎のないものは、すぐ私達を倦きさせるのだ。そして堀は芥川の謎に満ちた作品群を愛読したのだつた。此れは彼の感想である。

芥川の謎に満ちた作品群と云ふのは僕の考へではないけれど堀も芥川も再読の時間が必要かもしれない。二人は翻訳を残した。

彼はマルテの手記を翻訳しプルーストを読み物語を紡いだ。芥川も同じだつた。否彼を引き継いだのは堀の方であつた。彼は最初に龍之介論を書き新しい物語へと向かつた。そして彼の居場所は軽井沢だつた。物語と病は手記から続く。

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